A.全銀協及び金融庁から各金融機関に対して、事業者の資金繰りに支援するよう要請が発出されており、金融機関は返済条件の変更について協力的です。
不採算事業の撤退・縮小や固定費の節減等を通じて、事業の継続の見通しを明確にし、会社を清算してたたんでしまうよりも、事業を継続して再建を図る方が、弁済額や弁済率の上で利益となることについて、金融機関に説明し、理解を求めることが必要です。
金融機関も事業者からの申し出がない以上検討できませんので、以下の資料を準備いただき、できるだけ早く申請をしてください。
【必須準備資料】
・売上が減少していることを示す資料
・売上金が入金される通帳
・売上伝票
・週次や月次の受注一覧
【任意準備資料】
・月次で決算を行っている場合は、今年度の期初から直近までの月次決算書
・資金繰り表、日繰り表
金融機関との話合いによる解決が、資金繰り上の時間的な制約・逼迫や、金融機関の不同意等により困難である場合には、裁判所における法的整理を視野に入れた検討が必要です。
A. 資金繰りが苦しく、納期限までの公租公課の支払が厳しい場合には、税務署等と相談し、分割納付などの申入れを行うべきです。
国税については、新型コロナウィルス感染症の影響により、一時に納付することができない場合、税務署に申請すれば、法令の要件を満たすことで、納税の猶予や換価の猶予が認められる場合があります。
また、地方税についても同様に納税の猶予や換価の猶予が認められる場合があります。
A.
概要:中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事 業者等で、売上が50%以上減少している場合に、法人は200万円以内、個人事業者等は100万円以内で、給付金が支給されます。
A.新型コロナウィルスの流行が落ち着くまで株主総会の開催時期を遅らせることは可能です。
一般的に、決算日を定時株主総会の基準日と定めている会社が多く、基準日から3カ月以内に定時株主総会が開催されます。もっとも、法務省が公表した令和2年2月28日付「定時株主総会の開催について」によれば、新型コロナウィルス感染症に関連して定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じたときまで、その時期に定時株主総会を開催することを要求する趣旨ではなく、その状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りるとされています。
なお、開催時期をずらす場合、定時株主総会の開催時期が具体的になった段階で、新たに議決権行使や剰余金の配当のための基準日を定めた上で公告をする必要があります。
A.株主同士の接触を避けるため、一席ずつ空けて座るよう要請することが考えられます。少なくとも、詰めて座るよう案内することは避けるべきです。
A.マスク着用義務があることや、一定以上の熱がある場合には入場をお断りすることを事前に招集通知等で告知し、入場を自主的に断念することを促すべきです。
そのような説得にもかかわらず、株主が、これに応じない場合、入場を禁止することも考えられます。
A.このような場合、議長となるべき社長に「事故あるとき」に該当し、予め定めた代行順位に従い、別の者が議長に就くことになります。他方で、もし準備が間に合う場合は、社長が、当該外国からテレビ会議等の方式で株主総会に出席することにより、議長を務めることも可能です。
A.合理的な内容の制限であれば問題ないと考えられます。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止に必要な対応をとるために、やむを得ないと判断される場合には、株主総会の運営等に際し合理的な措置を講じることも可能です。そのため、例年に比べて議事の時間を短くすることや、株主総会後の交流会等を中止すること等が考えられます。
たとえば、従来は1人当たりの質問時間を厳格に制限せず合計で1時間程度質疑応答の時間を取っていた場合に、株主に対して端的な質問を要請した上で、30分程度の時間の質疑応答時間に制限することなどは、許容され得ます。
A.咳をしている株主に対して、「新型ロナウィルス感染症感染防止の観点から、ご退席をお願いできないでしょうか。」などと伝え、任意の退席を促すことが考えられます。退席に応じる場合には、会場スタッフが付き添って退場させるべきです。
なお、貴社が、株主総会の場所を一つだけではなく、予備会場、モニター視聴のできる控室を用意している場合には、そちらに案内するべきです。
A.予め委任状用紙を用意しておき、委任状用紙に記入して提出してもらう対応が考えられます。
A.株主から想定される質問としては、新型コロナウィルス感染症による業績への影響、新型コロナウィルス感染症の感染者が発生した場合の措置等の内部統制システムをどのように構築しているのか、役職員及び従業員に感染者が生じたかなどが考えられます。なお、役職者及び従業員の新型コロナウィルス感染症の感染の有無は、個人情報保護法が定める要配慮個人情報に該当するため、個人が特定できないように回答するべきです。
A.現行法の下では、中止するという判断はできないということになります。
株主総会は毎事業年度の終了後一定の時期に招集することが義務付けられており、これを開催しないことはできません。
なお、非上場会社であれば、書面決議により株主総会を開くことができます。
A.現行法の下では、オンラインでの株主総会を適法に開催することはできません。
株主総会は「場所」を特定することが求められており、実際に開催する株主総会の場所がないバーチャルオンリー型株主総会を認めることはできません。
A.取締役や株主等が一堂に会する物理的な場所において開催される株主総会(リアル株主総会)の開催に加え、リアル株主総会の開催場所に在所しない株主が、インターネット等の手段を用いて出席し、株主総会における決議にも加わるような形態での開催が可能です(出席型)。ただし、開催場所と株主との間で情報伝達の双方向性と即時性が確保されていることが必要であるため、システム環境の整備が不可欠となります。
他方、インターネット等の手段を用いて法律上の株主が参加できない形態であれば、開催場所と株主との間で情報伝達の双方向性と即時性が確保されていることが必須ではありませんが、株主に認められている質問や動議を行うことはできません(参加型)。
A.テレビ会議システムや電話会議システムのように、情報伝達の双方向性及び即時性が確保されるような方式であれば、株主総会に取締役等をオンラインで出席させることは適法です。
A.感染拡大防止策の一環として、出席を控えるよう呼びかけることは、株主の健康に配慮した措置であり、可能です。
なお、その際には、併せて書面や電磁的方法による事前の議決権行使の方法を案内することが望ましいとされています。
A.会場に入場できる株主の人数を制限することも可能であると考えられます。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止に必要な対応をとるために、やむを得ないと判断される場合には、合理的な範囲内において、自社会議室を活用するなど、例年より会場の規模を縮小することや、会場に入場できる株主の人数を制限することも、可能です。
もっとも、例年100人の株主が来場しているにもかかわらず、特に理由を検討せずに10人の株主しか来場できないような措置を採ることは合理的な範囲内の対応ではないと考えられます。
A.株主の出席を確保する万全の措置を講ずるのであれば、当日でも会場の変更は許されると解されています。そこでなるべく近隣の場所に代替会場を確保するとともに、30分~1時間程度、開始時間を繰り下げる対応とすることが考えられます。
会場変更のお知らせをウェブサイト上に速やかに掲載してその旨を株主に周知徹底し、変更前の会場付近に係員を配置して来場した株主を変更後の会場に誘導するなど、株主の出席を確保する万全の措置を講ずるのであれば、直前でも開催場所を変更することはできます。
A.株主総会の会場での新型コロナウィルス感染症の感染リスクを下げるために、以下のような対応を採ることが考えられます。
①検温し、一定以上の熱(37.5℃等)がある場合には入場をご遠慮いただく
②株主を入口付近で滞留させないために、受付事務を簡素化する
③アルコール消毒液による消毒を徹底して入場させる
④受付スタッフ及び株主のマスク着用を義務化し、マスクを持参していない株主に対して予備のマスクを提供する
⑤医務室を用意する
A.職場内で新型コロナウィルス感染症の感染が発生したことをもって、直ちに会社の安全配慮義務違反とはなりません。しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大が継続する可能性も視野に入れて、①従業員等の安否確認体制の整備、②定期異動、組織変更の停止、③在宅勤務など勤務形態の変更、④採用活動の延期、⑤情報共有などの事項について配慮すべきです。
A.正社員と同様、80%の休業手当を支払う必要があります。
待遇のそれぞれにつき、当該待遇に対応する正社員の待遇との間において、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはなりません(同一労働同一賃金制度)。
A.パート・アルバイトについても、会社側の判断で休業させた以上、60%以上の休業手当を支払う必要があります。なお、パート・アルバイトが年次有給休暇を使用する場合には休業手当を支払う必要はありません。
A.合理的対策を行い、安全配慮義務を果たしており、従業員の要望に必要性・合理性がない場合には、使用者の責めに帰すべき事由による休業ではないため、欠勤扱いとして問題ありません。
他方、感染防止措置を全く講じていないなど、安全配慮義務に違反している状況であれば、従業員が出社を拒否したとしても、使用者の責めに帰すべき事由によるものとして、賃金全額の支払いが必要となります。
A.子供の面倒を見るための欠勤は、労務の提供が労働者の意思によってなされなかった場合であるため、賃金支払義務及び休業手当の支払義務はありません。
また、上記理由による欠勤があったとしても、従業員の責めに帰すべき事由による労働義務の不履行ではありませんので、懲戒その他の不利益処分はできません。
A.新型コロナウィルス感染症への感染を防ぐため、①時差通勤、②テレワーク、③変形労働時間制、④フレックスタイム等より勤務時間や勤務形態の柔軟化を実施する企業が増えています。
A.内定取消しは、新型コロナウィルス感染症の影響によって事業が悪化したからといって当然には認められません。
採用内定の段階に至れば、始期付き解約権留保付きの労働契約が成立することになりますが、企業が当該留保解約権の行使を行うことができるのは、解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当と認められる場合に限ります。
特に新型コロナウィルス感染症の拡大による著しい経営の悪化を理由とする場合は、採用予定者の帰責事由に基づくものではありませんから、採用内定取消しの適法性については、厳格に判断されると解され、慎重な対応が求められます。
A.有期雇用契約の従業員を期間満了時に雇止めすることは可能ですが、30日前に雇止めの予告をする必要があります。
また、有期雇用契約であっても、①過去に反復更新されており、無期雇用の解雇と社会通念上同視できる場合、②契約更新されると期待することに合理的な理由がある場合に該当する場合には、雇止めに客観的合理性があり、社会通念上相当と認められる場合でなければ、雇止めはできません。
A.経営難を理由とした人員整理に伴う、いわゆる整理解雇の場合、以下の4つの要素を総合的に判断して、解雇権濫用か否かが判断されます。
①人員削減の必要性(客観的に経営危機にあり、人員削減がやむを得ない場合であること)
②解雇回避努力義務(新規採用抑制、希望退職の募集、配転など人事異動、退職勧奨など)
③人選の合理性(合理的な人選基準を設定し、それを適切に運用すること)
④労働組合等の協議(労働組合や当該従業員と十分協議すること)
まずは、整理解雇の前に、最大限の経営努力を行い、かつ各種助成措置を積極的に活用したかも重要な要素となります。
A.労働者は、使用者に対して一定の範囲での労働力の自由な処分を許諾して労働契約を締結するもので、その一定の範囲での労働力の処分に関する使用者の指示命令としての業務命令に従う義務があります。そして、業務命令は、企業の運営上必要かつ相当なものでなければならず、必要性または相当性が欠ける場合は無効となります。
取引先との親睦会等、業務に関連したものであれば、業務命令により禁止することも可能ですが、純粋にプライベートな領域である夜の飲み会に関しては、業務命令としての制限は困難です。
したがって、当該従業員を懲戒解雇にすることはできません。もっとも、使用者は、他の従業員との関係でも安全配慮義務を負うため、そのために必要な範囲で、社員教育を実施することはできます。
A.新型コロナウィルス感染症の影響により、「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合」にあたるとして労基署から許可を受けた場合には(労働基準法第33条第1項)、36協定なしに法定時間外労働を命じることができます。
ただし、当該許可は、時間外・休日労働はあくまで必要な限度の範囲内に限り認められるものですので、過重労働による健康障害を防止するため、実際の時間外労働時間を 月45時間以内にすることなどが重要です。
A.就業規則に在宅勤務の条項があれば、当該条項に基づいて在宅勤務を命じることができます。他方、当該条項がない場合であっても、企業には職場変更権があるため、職場変更権に基づいて在宅勤務を命じることができます。なお、在宅勤務の場合にはパソコンのログイン・ログアウトの記録等客観的な労働時間の管理が重要となります。
なお、在宅勤務であっても、①情報通信機器を通じて使用者の指示に即応する義務がないこと、②随時使用者の具体的な指示に基づくことなく業務を行うことが満たされれば、事業場外労働みなし労働時間制を採用することも可能です。
A.新型コロナウィルス感染症の状況については、36協定の締結当時には想定し得ないものであるため、繁忙の理由がコロナウィルス感染症とするものであることが明記されていなくとも、特別条項の理由として認められます。
A.在宅勤務でも業務が原因で生じた怪我は労災の対象になります。
A.労災と認めるには、いわゆる業務起因性が必要です。つまり、当該従業員が新型コロナウィルス感染症に感染した原因が業務であり、業務と傷病等の間に一定の因果関係があることが必要です。
A.事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に 対して一時的に休業等を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、休業手当等の一部を助成するものが用意されています。主たる要件としては以下のとおりであり、上限としては1人1日あたり8330円です。
①雇用保険の適用事業者であること
②売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その直近3ヶ月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること
③労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって休業が実施されること(事業所内の部門、店舗ごとでも可能)
A.派遣社員については、派遣先と派遣元との間で締結する労働者派遣契約において、就業場所が特定されています。
そのため、当該派遣契約に自宅を含む事業所以外の在宅勤務環境が指定されていない場合には、派遣先企業である貴社が派遣社員に在宅勤務を命じることはできません。別途、派遣元企業と協議を行い、在宅勤務に関する合意を取得する必要があります。
A.始業時刻及び終業時刻は就業規則の必要的記載事項です。そのため、就業規則、雇用契約に始業時刻、終業時刻を変更する場合があるという旨の記載がない限り、一方的に時差出勤を命じることができません。
なお、時差出勤を導入した場合、始業時刻、終業時刻を共に、繰り上げ若しくは繰り下げた場合であっても、1日の実際の労働時間が8時間を超えない場合には時間外労働の割増賃金は発生しません。
A.感染症の拡大防止を図る観点から、安全配慮義務の一環として、自宅待機命令を発するべきです。仮に、自宅待機命令を発しない場合には、事後的に従業員から安全配慮義務違反を理由に訴訟されるリスクが生じます。
したがって、企業としては、適時適切な判断の下、速やかに従業員を自宅に帰宅させ、あるいは出勤させずに自宅待機を命じることが相当だとの判断に至れば、速やかに帰宅命令や自宅待機命令を発するべきです。
そして、感染確認後速やかに、①感染確認日、②感染者が確認されたビルの名称・所在地、③感染者の属性(正社員か派遣社員か、グループ会社従業員か等)、④感染経緯(イベント参加等)、⑤感染者数、⑥顧客と接する業務に従事していたか否か、⑦感染後の感染者の状況、⑧感染確認後の企業の対応状況等を公表するべきです。
A.当該従業員の及び他の従業員の安全配慮義務の関係から、当該従業員が濃厚接触者と判定される可能性が高く、直ちに自宅待機を命ずるべきです。
この場合、当該従業員の感染が判明したり、就業できない状態にならない限り、60%以上の休業手当を支払う必要があります。なお、従業員が年次有給休暇を使用する場合には休業手当を支払う必要はありません。
A.感染者との接触の時期、態様等を勘案して感染リスクの有無を判断し、感染リスクがあると判断した場合には、自宅待機を命じることも考えられます。
この場合、60%以上の休業手当を支払う必要があります。なお、従業員が年次有給休暇を使用する場合には休業手当を支払う必要はありません。
A.給与はもちろん、労働基準法第26条の休業手当も支払う必要はありません。
新型コロナウィルス感染症に感染した場合、感染症予防法第18条2項により、就業制限がなされるため、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しません。
なお、従業員としては、健康保険による傷病手当金を別途請求するべきです。具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2について、傷病手当金により補償されます。
A.まず、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当として60%を支払わなければなりません。
他方、不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。
ここでいう不可抗力とは、①その原因が事業の外部より発生した事故であること、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たすものとされています。
緊急事態宣言や要請などのように、事業の外部において発生した事業運営を困難にならしませる事情があり(①)、個別具体的な事情を考慮して、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くていれば(②)、不可抗力にいれるものといえます。
しかしながら、例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討するなど休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、不可抗力とはいえず、休業手当の支払が必要となります。
A.賃料の免除・猶予・減額のためには、賃貸人との交渉が必要です。
国土交通省は、不動産関連団体を通じて、賃貸用ビルの所有者など飲食店をはじめとするテナントに不動産を賃貸する事業を営む事業者に対して、新型コロナウィルス感染症の影響により、賃料の支払いが困難な事情があるテナントに対しては、その置かれた状況に配慮し、賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討するよう要請しました。
この要請を受け、一部の事業者は、賃料の支払い猶予などの措置に乗り出しています。
交渉を開始するにあたっては、契約状態を確認する必要があり、普通賃貸借か定期借家契約か、賃料の金額、契約期間、中途解約条項、敷金・保証金、賃料改定についてどのように定めているかを確認してください。契約書を確認した上で、新型コロナウィルス感染症の影響により具体的に売上げが前年比で何%下がったのか、損益計算書を根拠に数値で示しましょう。
A.新型コロナウィルス感染症の影響であっても賃料不払によっては、解除事由となります。
なお、賃料不払を理由に賃貸人から賃貸借契約を解除するには、賃貸借契約上の信頼関係を破壊したかという観点から解除の可否が判断されます。新型コロナウィルス感染症の影響は信頼関係を破壊したとは言い難い事由に寄与すると考えます。
A.事後的な紛争防止の観点から、減額する賃料の金額、賃料を減額する期間、期間経過後の賃料の取扱い等を書面によりまとめるべきです。
A.この条項は通常、対象物件の物理的な損壊、滅失を想定した条項です。
資金調達ができないことと、新型コロナウィルス感染症拡大との間に因果関係があるのかという問題もあり、解除に応じる必要はありません。履行に着手していない段階であれば、手付解約として売主は手付を没収することができます。
A.新型コロナウィルス感染症感染症の影響に伴う資機材調達困難や感染者発生等については、建設工事標準約款に定める「不可抗力」にあたるものとして、遅延損害金を請求できません。
他方、受注者は、工期の延長を請求でき、増加する費用については、受発注者間で協議して定めることになります。
なお、設備資材の納入遅延の場合には、設置未了で未完成状態でも完了検査を認める措置がとられています。
A.賃貸借契約の場合、いわゆるIT重説(重要事項説明をテレビ会議等のITを活用して行うもの)の方法を用いることが可能です。
ただし、以下の要件を満たすことが必要となります。
A.売買契約の場合、重要事項説明を省くことはできません。IT重説は、現在、賃貸借契約に関する取引に限定されているため、売買契約において用いることはできません。
A.提供する目的や範囲に留意しつつ公表する場合には、直ちに個人情報保護法違反及びプライバシー権を侵害するとはいえません。
また、不用意に個人の特定ができる情報は公表するべきはありませんが、取引先などやむを得ない事情がある場合には許容されます。
A.安全配慮義務を履行し、かつ新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、提供する目的や範囲に留意しつつ公表する場合には、直ちに個人情報保護法違反及びプライバシー権を侵害するとはいえません。例えば、感染経路について社内経路である場合には、公表して問題ないですが、外部経路の場合には経路を詳細に公表する必要はありません。
A.個人が新型コロナウィルス感染症に感染した事実や検査結果は、個人情報のうち特に慎重な取り扱いが必要となる要配慮個人情報に該当します。したがって、原則として、あらかじめ本人の同意を得て取得することが必要です。なお、検温などの平常検査による情報は要配慮個人情報には該当しません。
本人から感染事実等の情報を直接取得できる場合は、本人が当該情報を雇用主に直接提供したことをもって、取得について、本人の同意があったものと考えられます。また、本人が入院し、本人から同意をとることが困難である場合に、家族から聴取することは可能です。
A.従業員の家族の感染事実等の情報は、従業員の家族の要配慮個人情報に該当します。したがって、原則としてあらかじめ従業員の家族本人の同意を取得することが必要です。従業員が従業員の家族から同意を得る等適法に取得することで、会社が取得に先立ち、従業員の家族本人から同意を得る必要はありません。
A.受託者と発注者との間に継続的な契約関係が存在する場合には、契約の解除に正当な理由または一定期間の予告が要求されます。そのため、解除が無効になり、取引継続を求めることができる可能性があります。
もっとも、新型コロナウィルスの影響による経営悪化という理由が契約解除の正当理由を根拠付け得るため、発注者が努力を尽くしているかなどの反対事情が重要となります。
A.物を引き渡すこと等を内容とする非金銭債務であれば、不可抗力を理由として債務を免れる可能性がありますが、民法では金銭債権において不可抗力は免責事由とならないため、取引金融機関等に相談をして、資金調達をしなければ、債務不履行となります。そのため、支払先に事情を考慮し支払い期限を延長する等協議を行うことが必要と考えられます。
A.契約上、「債務の不履行の場合、その原因の如何にかかわらず損害賠償責任を負う」という定めがある場合、不可抗力を理由として、損害賠償責任を免れることができません。
他方、契約上明確な定めがない場合、不可抗力により契約上の義務は免責されます。緊急事態宣言が発出されている現状において、地方自治体から強い自粛要請がでている業種や従業員の確保ができない場合等には、不可抗力に該当し得るため、債務不履行責任を免れます。
A.契約書に、「相手方は債務の履行を受けることができなかったときは、その原因にかかわらず契約を解約できる」旨の規定がある場合には、不可抗力により債務を履行することができなかったことを主張しても、相手方は契約を解除できます。
一方、契約書上明確な定めがない場合には、債務不履行に基づく解除権の行使については、債務者の帰責事由がなければ認められません。そして、新型コロナウィルス感染症の影響は不可抗力に該当し得るため、その場合には相手方の契約解除は認められません。
A.契約書に、「相手方は債務の履行を受けることができなかったときは、その原因にかかわらず相手方は代金支払義務を免れる」旨の規定がある場合は、相手方に代金支払を求めることはできません。
一方、契約書上明確な定めがない場合であっても、代金支払を顧客に求めることができないのが原則です。ただし、非金銭債務を履行できなかったことにつき、相手方に帰責事由がある場合、例えば、相手方が本来履行を受領すべき時期に受領せず、その後、新型コロナウィルス感染症の影響により履行ができなくなったような事情があれば、相手方に対して代金支払を求めることができます。
A.旅館と宿泊予定者との間で、既に契約は成立しているため、旅館は宿泊予定者に対してキャンセルを返金する必要はありません。
もっとも、旅館はキャンセル料として、いくらでも宿泊予定者に請求できるわけではなく、消費者契約法9条が定める「平均的損害」を超える部分については返金しなければなりません。平均的損害の算定にあたっては、キャンセルの時期や宿泊プランなどの条件によって変わり得ます。たとえば、旅館が代わりの予約を獲得できる時期のキャンセルであれば、キャンセル料は全額返金しなければなりません。
A.まず、コンサートを提供する義務は履行不能であり、コンサートが中止となった場合であってもチケット代を返還しないという規定があった場合、チケット代を返金する必要はありません。
他方、中止の場合にチケット代を返還しないという規定がない場合には、双方に帰責事由は存在せず、危険負担の規定により、参加者側はチケット代金の支払を拒絶することができ、支払い済みであっても契約を解除して代金支払義務を免れることができます。したがって、受領したチケット代の返還をすべきです。
A.取引先に破綻のおそれがある兆候としては、取引先からの代金支払方法の変更や代金の支払猶予の申し入れ、不自然な大幅な発注の増加、公租公課の滞納や従業員等への給料の支払遅延や未払い等が挙げられます。
そのような兆候があれば、支払サイトを短縮したり、前払い及び保証金を求めることが考えられますが、取引先の資金繰りを追い詰めることになり、悪循環に陥るおそれがあります。
そこで、取引先が第三者に販売した物について所有権留保をつけるべきです。
A.MAC(Material Advise Change)条項が規定されているか否かがポイントです。
当該条項は、締結前の事情と大幅に変わってしまった場合に、締結済みの事業譲渡契約や株式譲渡契約に、重大な悪影響が生じた場合に取引のクロージング(終了)を阻止し、または契約解除を可能とするものです。
規定されていた場合には当該事案において適用できるか検討し、他方、仮に当該条項がなかった場合には事情変更の法理に基づく契約解除の余地がないか検討すべきです。
A.下請業者側に責任がある場合を除き、親事業者が発注済の納品を断ることは受領拒否に該当し、下請法違反となります。
まず、親事業者としては、他の営業所や倉庫等の代替的な場所での受領の可能性も含め可能な限り当初定めた納期で受領する手段を講ずる必要があります。もっとも、親事業者が都道府県の要請を受けて営業を自粛し、客観的にみて当初定めた納期に受領することが不可能であると認められる場合には、両者間で十分協議の上、相当期間に限り納期を延ばしても、公正取引委員会等が下請法違反に基づく措置等を取る可能性は低いといえます。親事業者は、このような特別な事情や経緯について、事後的にも説明できるように記録を作成しておくことが求められます。
他方、下請業者としては、①下請法違反を指摘した上で、成果物の引取りを求める、②公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。
なお、受領拒否により下請事業者に追加で生じた保管費用等の追加費用については、原則として、親事業者が負担する必要があります。下請事業者に対し、親事業者が支払うべき費用を負担させることは、不当な経済上の利益提供要請として下請法上問題となりますので注意が必要です。
A.まず、代金・報酬の支払遅延ですので、訴訟提起、仮差押え、担保権実行、連帯保証人への請求、相殺等の種々の債権回収手段も検討すべきです。
そして、当該行為は、下請代金の支払遅延に該当するため下請法違反となります。
下請業者としては、①下請法違反を指摘した上で、契約で定めた報酬の支払を求める、②公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。
A.まず、代金・報酬の一部不払いの事案ですので、訴訟提起、仮差押え、担保権実行、連帯保証人への請求、相殺等の種々の債権回収手段も検討する必要があります。
そして、協議や同意がない状態での一方的な変更は、親事業者による一方的な下請金額の減額に該当し、下請法違反となります。また、「歩引き」や「リベート」等の減額の名目、方法、金額の多寡を問わず、発注後どの時点で減額しても下請法違反となります。
下請業者としては、①下請法違反を指摘した上で、満額の支払を求める、②公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。
他方、親事業者としては、下請業者と十分に協議をし、下請業者の同意を得た場合には、契約の変更は有効であると主張するべきです。
A.生産・調達コストが大幅に上昇するなどの新型コロナウィルス感染症の影響による単価の引上げについては、親事業者と下請事業者との間で十分協議を行って決定することが望まれます。
例えば、人手不足による人件費の上昇、供給不足による部品の価格高騰など、新型コロナウィルス感染症の影響により下請事業者のコストが通常の発注に比べて大幅に増加するような発注の場合には、通常の発注をした場合の単価と同一の単価に一方的に据え置くことは、買いたたきに該当し、下請法違反となります。
このような場合には、下請業者としては、親事業者に拒否された場合には、下請法違反を指摘した上で、報酬の引上げには応じるよう請求すべきです。
A.親事業者が、発注に際して下請代金の額を決定する際に、発注した内容と同種又は類似の給付の内容に対して通常支払われる対価(市場価格や従来の取引価格)に比べて著しく低い額を不当に定めることは、買いたたきに該当し、下請法違反となります。
判断要素としては、①対価の決定方法、②対価の決定内容、③通常支払われる対価と当該給付に支払われる対価との乖離状況、④当該給付に必要な原材料等の価格動向が重要となります。
そのため、下請業者としては、①下請法違反を指摘した上で、報酬の引下げには応じられない旨回答する、②公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。
A.下請法では、親事業者は、下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることは許されないとされ、また、経済上の利益は、協賛金、従業員の派遣等の名目は問わず、下請代金の支払とは独立して行われる金銭等の提供をいいます。
もっとも、①従業員等の協力の条件についてあらかじめ相手方と合意し、かつ当該従業員の協力のために通常必要な費用を小売業者が負担する場合、又は②従業員等が自社の納入商品のみの販売業務に従事するものなどであって、納入業者の負担が派遣を通じて納入業者が得ることとなる直接の利益等を勘案して合理的な範囲内のものであり、納入業者の同意の上で行われる場合には、例外的に派遣要請は許されます。
下請業者としては、①②に該当しない場合には、下請法違反を指摘した上で、設例のような要請の中止を求める、公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。
A.下請法では、親事業者は、下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることは許されないとされ、また、経済上の利益は、協賛金、従業員の派遣等の名目は問わず、下請代金の支払とは独立して行われる金銭等の提供をいいます。
もっとも、①従業員等の協力の条件についてあらかじめ相手方と合意し、かつ当該従業員の協力のために通常必要な費用を小売業者が負担する場合、又は②従業員等が自社の納入商品のみの販売業務に従事するものなどであって、納入業者の負担が派遣を通じて納入業者が得ることとなる直接の利益等を勘案して合理的な範囲内のものであり、納入業者の同意の上で行われる場合には、例外的に派遣要請は許されます。
下請業者としては、①②に該当しない場合には、下請法違反を指摘した上で、設例のような要請の中止を求める、公正取引委員会に相談・申立てをして調査や勧告を促す、という手段が考えられます。
A.自動車検査証の有効期間が令和2年4月8日から5月31日までの自動車については、全国一律に令和2年6月1日まで自動車検査証の有効期間が伸長されています。
また、自賠責についてもあわせて同日まで継続契約の契約締結手続が猶予されています。
A.令和2年3月13日~4月30日までの間に更新期限がくる方は、更新期限前に運転免許センターや警察署等に申し出ることで、更新期限後であっても3か月間は運転が可能になります。
なお、更新期限までに更新手続を行うことができず運転免許を失効させた場合には、運転免許の失効から最長3年以内かつ新型コロナウィルス感染症拡大の終息から1か月以内であれば、学科試験・技能試験が免除され、運転免許の再取得が可能です。
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医療法人の破産は,継続的な治療を要する入院患者や通院患者に深刻な影響を与えるばかりではなく,地域医療にも多くの影響を及ぼします。
病院などが経営の破綻により閉鎖となった場合には,健康,生命に関わるという病院の公益性に照らした特別な配慮が必要となるため,まずは民事再生の利用など,再生型の手続を検討すべきです。そして,破産を選択する場合,患者に対する診療行為が中断することのないよう,裁判所,都道府県環境保健部などの行政機関,地元医師会,破産管財人と相互に協力体制を構築するべきです。
また,カルテなどの医療記録は,医師法上の保存義務があるので,破産管財人と協力してその保管体制についても慎重に検討すべきです。
飲食卸売業の場合には,民事再生,会社更生などの再生型の手続を検討できないような状況に陥り,破産を検討するに際しては棚卸商品の処分について特別な注意が必要です。
棚卸商品については,破産申立前に行うべきか,破産開始決定後に破産管財人において行うべきかという問題があります。工業製品など倉庫に長期間保管して問題ないものは破産管財人による売却を検討することが多いのですが,生鮮食品などの場合は,破産管財人を待っていたのでは賞味期限が来てしまう可能性があります。
そのため,飲食料卸売業の破産の場合,商品在庫については破産申立前に早期に売却してしまう場合が多いといえます。他方,破産申立の前に処分ができないようであれば,保存可能な限り保存して,破産手続開始決定後に破産管財人が処分することになります。
通販サイト運営会社の破産は,一般的な債権者である金融機関に加えて,一般の消費者が多数含まれるという点に特徴があります。そのため,できる限り債権者数を増加させないようにしつつ,サイトの閉鎖などにより不要な混乱を回避するべく,商品を品切れの表示に切り替えるなどして可能な限り受注を控えるべきです。
なお,直前に受けた注文については,仕掛中の仕事として破産手続上処理されますが,注文者から代金を受領しているか,仕入先から商品が納入されているか場合分けをして検討するべきです。
資金難の原因としては,①過剰な借入債務や多額な工事請負代金が未払いな場合,②預託金返還債務が一斉に到来する場合,③客数減・プレー単価低下による売上不振によるなどが考えられます。
ゴルフ場のビジネスは,初期投資の額が大きい反面,追加投資が必要となることは稀で,ランニングコストの確保さえできれば事業を継続できる状況が整っています。そして,会員としてもプレーする環境が継続されることを望みますし,ゴルフ場という広大な土地を荒廃させれば社会的損失も大きいため,民事再生を活用するべきです。ゴルフ場の重要部分が借地で構成されている場合,営業譲渡やゴルフ場施設の別会社への譲渡を予定するのであれば,賃借権譲渡に対する地主の承諾がネックとなる可能性もあります。
もっとも,再建方法を取りたいが協議ができない場合,経営状況が極めて劣悪な場合,抵当権者が別除権者として早期回収を図る場合などには破産の方法によるしかありません。
このように,当初より破産を申し立てる場合は例外的な場合であり,破産となる多くは民事再生法からの移行の場合となります。
学校法人が倒産するケースは稀であり,現実に破産処理が必要な学校は,英会話に代表されるような教育を行う株式会社など私的企業です。
地場の学習塾を取り巻く環境としては,少子化の影響に加え,全国展開する大手学習塾の大規模化の影響もあり生徒数が伸び悩んでいるケースが多く見受けられます。また,講師の確保にも苦戦し労務費が嵩むなど収益を圧迫する場合があります。
英会話などの教育を行う株式会社で全国的に学校を展開している破産の場合,生徒が数千規模に及ぶこともあり,債権者数が多くなるとともに,講師が労働債権者として登場してきます。加えて,学校は多数の受講コースを持っており,受講コースによって授業料・割引率が異なるため,1回あたりの単価を算出することが複雑となります。
海外旅行の主催業者は,同時にいくつもの海外旅行を主催し,様々な広告媒体により参加募集します。そのため,旅行会社の破産は,一般的な債権者である金融機関に加えて,一般の消費者が多数含まれるという点に特徴があります。
次に,旅行会社と旅行業務に関して取引をした債権者の債権については,特殊な弁済業務保証制度があり,一定の条件を満たす債権者に対しては,日本旅行業協会または全国旅行業協会が破産債権の全部または一部について代位弁済する制度があります。
また,旅行業においては,申込者は前払いを義務づけられていますが,それぞれ支払方法が異なるため,債権者の取扱いに差異が生じ,債権者間に不公平間が生じないように留意してください。
旅館業の破産は,一般的な債権者である金融機関に加えて,一般の消費者が多数含まれるという点に特徴があります。そのため,できる限り債権者数を増加させないようにしつつ,ウェブによる予約システムを満室とするなどして可能な限り予約を控えるべきです。
破産の場合には,旅館から消費者に対する非金銭債務(宿泊その他サービスを受ける権利)は,履行できない状態になっており,消費者が旅館側に対して既に宿泊費を支払っている場合には,支払済みの宿泊費返還請求権が残る形になります。
また,この返還請求権は破産債権であり,これは裁判所の破産手続の中で,破産管財人による配当を受けうるにすぎないのが原則です。そのため,旅館側が廃業にあたって任意に消費者に宿泊費の返還をすることはせず,仮に返還をした場合は管財人による否認権行使の対象となりますのでご注意ください。
複数回のエステサロンを使用することを前提に,一括して前払いする形式でチケットを販売していた場合には利用者対応が問題となります。これは,パーソナルジムのようにチケット前払い制の営業形態であれば同様です。
チケットを購入し,未使用のチケットを保有している利用者は,当該会社に対する債権者になりますが,破産会社に対しては一般的破産債権を有するに過ぎません。そのため,破産会社に資産に余剰がある場合のみ,優先的に取り扱われる債権に対する弁済や配当の後に,債権額に応じて配当されることになります。
また,破産申立ての直前まで営業を続けているケースでは,債権者が数百名の規模になることも稀ではありませんので,混乱を避けるように新規の販売については中止するべきです。
農業は,一般的に,利益率と比べて初期費用及びランニングコストが高い傾向にあります。加えて,天候不順による農作物被害,農作物価格の暴落などのリスクも潜んでいます。
農家の一般的な債権者である農協は,消費者金融などの貸金業者に比べれば低い利率で貸付をしていますが,利息をとっているので任意整理によって利息をカットしてもらうことは有用です。
そして,任意整理ではなく破産を決断した場合,農業機械については,当該農家の所有物であれば,破産手続の中で換価し,破産財団を構成します。リースを受けているような場合には,リース契約に従ってリース債権者に引き上げられることになります。
次に,農地の処分には農地法上の制限に留意してください。農地に関する権利の設定や移転には農業委員会,都道府県知事の許可が必要となっており,許可を得ずに行った農地の売買契約は無効となります。なお,農地は競売にて買い手が見つからない可能性も高いため,売却不可と判断されて配当に回されないケースもあります。
弁護士が相談・依頼を受けた後、債権者に対して受任通知を発送します。
受任通知が債権者に到達すると、債権者からの請求・督促が止まり、受任後は返済もストップします。
弁護士が裁判所に対して破産手続開始の申立てをします。
弁護士費用を分割でお支払いいただく場合、費用を完納してからの申立てとなります。
申立て後、裁判所が破産管財人を選任します。破産管財人と面談をして、事情の説明や破産管財人への財産等の引継ぎを行います。(面談には代理人弁護士も同席します。)
裁判所は、債務を支払う資力がないと判断すると、破産手続開始決定を出します。
裁判所において、破産者、代理人弁護士、破産管財人、債権者が集まり、破産管財人から財産状況等の報告や、免責等に関する意見が出されます。財産状況により、財産の換価・配当手続きが行われたり、複数債権者集会が開かれることがあります。債権者集会終了時に破産手続きが終了します。
法人(会社)の場合、破産手続き終了により消滅します。
個人の場合、裁判所が免責に問題ないと判断すれば、免責許可決定が出されます。
債権者一覧表や資金繰表等といった疎明資料の作成提出ほか、弁護士費用、裁判所に納付する予納金といった申立費用を用意します。
裁判所により弁済禁止の保全処分決定が下され、再生債権に対する弁済が原則として禁止されます。
また、同時に裁判所により監督委員が選任され、再生債務者は監督委員による監督に服することとなります。
債権者向け説明会等において、再生手続を開始することに対して主要債権者の多数から強硬な反対がない限り、申立日から1週間以内に再生手続が開始されるのが通常です。
期限までに債権の届出を行う必要があります。
再生計画案を策定するため、再生債務者の財務内容、すなわち資産および負債の額をそれぞれ確定させる必要があります。
資産の評価損額が、再生計画における債務免除について免除益課税にも影響することになるため、慎重に行う必要があり、経験豊富な公認会計士に依頼することが望まれます。
決議に付された再生計画案に対して、議決権を有する届出債権者が賛成または反対の議決権を行使することとなります。そして、債権者集会期日において議決権の集計がなされ、届出債権者の頭数の過半数のかつ届出債権者の議決権額の2分の1以上の賛成が得られた場合、再生計画案が可決することとなります。
可決された再生計画について法律上の障害事由がなければ、裁判所によって再生計画が認可されます。
監督委員が選任されている場合は、3年間、管財人が選任されている場合は返済終了まで、手続きは終結せず、裁判所の監督下に置かれる。
再生計画の履行が完了したときまたは再生計画認可決定確定後3年間経過時に再生手続は終結することとなりますが、それまでの間は監督委員による再生計画の履行監督に服することになります。
やむを得ない事由で当初の再生計画を遂行することが著しく困難となった場合、再生計画で定められた債務の期限を延長することができます。
強制執行
計画の取消し、廃止
弁護士が相談・依頼を受けた後、債権者に対して受任通知を発送します。 受任通知が債権者に到達すると、債権者からの請求・督促が止まり、受任後は返済もストップします。
裁判所へ申立書類を提出して個人再生の申立てを行います。この時、裁判所により個人再生委員が選定されます。
個人再生の申立ての約1ヵ月間後、裁判所は、個人再生委員の意見を確認した上で、再生手続開始の決定をします。
再生計画案には、弁済総額、弁済の方法、住宅資金特別条項の利用などについて定めて、裁判所に提出します。
再生計画案が法律上の要件を充足している場合には、小規模個人再生では、裁判所から各貸金業者に再生計画案と議決書が郵送され、書面決議が行われます。なお、給与所得者等再生では貸金業者の決議はなく、意見聴取が行われます。
小規模個人再生の場合、債権額の過半数以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないことが条件です。他方、給与所得者の場合は、債権者による決議は行われません。
小規模個人再生の場合、一定数以上の不同意意見が提出されると、再生手続は廃止になってしまいます。
再生計画認可決定が確定した月の翌月から、再生計画で定めた返済計画に沿って、各貸金業者の指定する口座に毎月入金します。
弁護士が相談・依頼を受けた後、債権者に対して受任通知を発送します。
受任通知が債権者に到達すると、債権者からの請求・督促が止まり、受任後は返済もストップします。
誰が債権者であるのか、その債権者に対する債権が正確にはどのくらいあるのかなどを調査します。
貸金業者から開示された取引履歴をもとに、利息制限法に従った利息に直して債務残高を確定します。
過払い金が発生している場合には,貸金業者に過払い金の返還請求ができます。
引き直し計算の結果、算出された借金額を基準に、返済期間・月々の返済額等について和解案を作成し、貸金業者に提示します。
和解で確認された和解内容に基づき,毎月貸金業者の指定する口座に分割金を振込みます。
発生し得る問題の予測が可能となり、
必然的にスピード対応が可能になります。
主な専門業務 | 企業法務 |
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所属 | 東京弁護士会 |
経歴 | 2007年 慶應義塾高等学校卒業 2011年 慶應義塾大学法学法律学科卒業 |
連絡先 | TEL: 03-6450-4832 FAX: 03-6450-4833 |
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所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木4-10-7 エルビル5階 Googlemap |
アクセス | 六本木駅6番出口徒歩1分 |