お悩みのご相談
相続問題は、誰でも遭遇することがある法律トラブルです。
自分だけでは解決が難しい場合や、専門家である弁護士の助けが必要となることもあります。
ただ、弁護士にも色々な人がいて、誰に依頼するかによって、結果は大きく変わります。
相続問題を相談・依頼するなら、相続問題に強く、自分と相性のいい弁護士を探すことが重要です。
そこで今回は、相続トラブルを相談するときの弁護士の選び方のポイントを解説します。
1.相続問題の実績・経験・知識が豊富
まずは、その弁護士が相続問題を得意としていることが重要です。
弁護士は法律全般を取り扱うので、業務の範囲はかなり広大で、相続はその中の一分野にすぎません。相続問題を取り扱っていなかったり、あまり得意でなかったりする弁護士もいます。
そこで、弁護士を探す場合、相続問題に積極的に取り組んでいて、その分野の実績が多い事務所を選びましょう。
年間にどのくらい相続問題の取り扱いがあるか、弁護士の経験年数はどのくらいかなどをチェックします。今までに相続関係の書籍を執筆したことがあればなお良いでしょう。
今は、多くの弁護士がホームページを作っているので、その内容を見ると弁護士がどのような分野を得意としているかが分かることがあります。
ホームページ内の弁護士のブログや記事の中で、相続関係の記載内容が充実している弁護士事務所は相続に力を入れている可能性が高いです。
ホームページに年間の取り扱い件数や累計の取扱件数などが載っていることもあります。依頼者の声(反響)を載せていることも多いので、内容を確認してみましょう。
2.熱意があり、研究を怠らない
弁護士を選ぶ場合、その業務に取り組む姿勢も重要です。
何事も、専門家を選ぶ際には、常に熱意を持って取り組んでおり、研究も怠らない姿勢を持っている人を選ぶことが大切です。
たとえば、現在までの実績や経験は豊富でも、すでに半分引退しているような人に案件を依頼してしまうと、あまり熱心に取り組んでもらえず、かえってうまく問題を解決できなかったり、ストレスがたまることがあります。
そこで、実績や経験だけではなく、弁護士の業務に取り組む姿勢もチェックします。
まずはホームページなどをチェックして、弁護士の基本的な考え方(ポリシ-)や姿勢を確認します。信頼できそうだと思ったら、一度法律相談を受けてみて、実際に話をします。
そのときに、弁護士から熱意を感じられたり、事務所内にたくさんの法律関係の書籍や最新の法律雑誌が置いてあれば、勉強家の良い先生です。
反対に、適当に話を流されたりする場合には、他の方を検討したほうが良いでしょう。
3.話しやすく、質問しやすい
その弁護士が話しやすい人であることも重要です。
相続問題では、依頼時だけでなく、何度も弁護士と面談をして、今後の方針などを相談していくことになります。
その都度、弁護士から状況に応じた説明やアドバイスを聞いて、具体的な対応方法を決めていくので、分からないことがあれば弁護士に質問をして、疑問を解消しながら適切な判断をしていきます。
そのため、自分が話しやすく、こちらからも質問をしやすい人を選びましょう。
弁護士の中には、依頼者に高圧的な人もいますし、質問を聞いてくれない人もいます。
自分の望んでいない方向にどんどん案件がすすめられて、最終的に納得できない解決に落ち着いてしまうおそれもあります。
もちろん自分との相性もあります。
最初の相談のときに、話しやすい雰囲気があり、こちらが質問をしても丁寧に答えてくれる弁護士を選びましょう。
4.丁寧に説明してくれる
弁護士の説明が丁寧でわかりやすいことは、極めて重要です。
相続問題は、かなり複雑で法律的な争点も多いトラブルです。
弁護士の説明が難しすぎて、言っている事がわからないと、ストレスが溜まります。分からないからと弁護士に任せきりにしていたら、自分が思ってもみなかった方向に話が進んでいた、ということもあり得ます。
弁護士が良かれと思ってやったことでも、必ずしも自分の希望どおりとは限りません。
弁護士の中には、難しい法律用語を連発するだけで、素人に分かりやすく説明できない人もいるので、注意が必要です。
状況に応じた説明をしてくれる
また、物事は必ず自分に有利に進むとは限りません。状況が不利なこともありますし、こちらの主張が通らずに不利益を受ける可能性も当然あります。
いかに能力が高い弁護士でも、状況的に覆せないことは沢山あります。
そのため、不利な状況にあるときには、その内容やリスクをきちんと説明してくれる弁護士を選ぶことが重要です。
弁護士が法律面のリスクをしっかり説明してくれなければ、後々になって思わぬ不利益に直面して、非常に困ってしまうこともあります。
良い弁護士を探す場合には、単に説明がわかりやすいだけでなく、不利な内容もちゃんと説明してくれる人を選ぶことが重要です。最初の相談の際に、弁護士の説明が丁寧でわかりやすいかをチェックしましょう。
5.費用が明確
相続問題を依頼するとき、弁護士費用の問題も重要です。
弁護士に依頼すると、どのような案件でも弁護士費用がかかります。
弁護士費用の種類としては、着手金と報酬金が主になります。
着手金とは、案件を依頼する当初にかかる費用です。依頼料のようなもので、基本的に返金されることはありません。
報酬金は、案件が解決した場合に、解決内容に応じてかかる費用です。獲得できた経済的利益の額が大きくなると、報酬金の金額が高くなることが普通です。
このような弁護士費用は、弁護士事務所がそれぞれ自由に決めています。
依頼する事務所によって、同じ案件でも費用が変わります。ただ、おおまかな「相場」と「決め方」はあります。相続問題の場合、遺産の額を基準に報酬が定めるのが通例で、遺産の額に応じて、弁護士費用も高額になりがちです。
ただ、高額な弁護士費用を払ったからと言って、それに比例して良いサービスを受けられるわけでもありません。逆に、弁護士費用が安い事務所だから対応が悪いということでもありません。
そこで、相続問題では費用が明確で、リーズナブルなところを選ぶと良いでしょう。
最初の相談の時に、費用の全体像を説明してもらいましょう。初期費用だけではなく、解決までに全体でいくらかかるのか、追加費用がかかる場合やその条件なども確認したほうがいいです。
依頼の時には委任契約書を作成しますが、費用についても明確に記載したものを作成してくれる弁護士事務所を選ぶと安心です。
弁護士費用の問題はかなり重要ですので、よく覚えておきましょう。
6.便利な立地であり、相談時間が柔軟
弁護士事務所の所在地や、相談時間もポイントです。
どんなに有名で実績の高い弁護士でも、相談に行くことが難しければ、意味がありません。
何度も通って負担にならない場所か、時間の融通が利くかは無視できない点です。
事務所の場所
ただ、遺産分割の場合、紛争が起こっている地域の弁護士に依頼することもあります。
たとえば、他の相続人は東京に住んでいて、自分は岡山に住んでいる場合、遺産分割調停を起こす裁判所は原則として東京になります。
この場合には、岡山の弁護士よりも東京の弁護士に依頼する方が手続きがスムーズに進み、費用も節約できるケースがあります。
相談時間
弁護士を選ぶとき、相談時間に柔軟性があることも大切です。営業時間が長くて相談時間を選べるかどうかという点です。
自分が仕事をしていなくて、いつでも弁護士事務所に行ける場合にはあまり問題になりませんが、仕事や子育てなどがあって、平日の昼間に弁護士事務所に相談に行くことが難しい場合には、夜間や土日祝の相談などに応じている事務所を探すことが大切です。
せっかくサービスの良い事務所に依頼しても、実際に相談に行くことができなければ、活用できず無駄になってしまいます。
弁護士を探す場合には、通いやすい場所にあること、相談時間に柔軟性があること、という相談のしやすさの点についてもチェックしましょう。
7.フットワークが軽く、返信が早い
弁護士に案件を依頼する場合には、弁護士のフットワークの軽さが重要です。
常に身軽に動いてくれて、必要なら外に調査に行ったり交渉に行ったりしてもらえる弁護士に依頼する方が、有利になる事があります。また、依頼者が問い合わせをしたときに、素早く返信をしてくれるかどうかも重要です。
これらの点は、実際に結果に影響が出ないとしても、自分の安心感につながります。
弁護士の中には、メールを送ってもほとんど返信がなかったり、とても遅かったりする人がいます。電話をかけても、いつも事務員が出るだけで、ほとんど折り返しの連絡もないことがあります。仕方がないのでFAXで連絡を入れても、見てくれているのかどうかすらわかりません。
このような弁護士に手続きを依頼すると、本当に自分の希望が伝わっているのかどうか不安で仕方がありません。
したがって、弁護士を探す場合は、フットワークが軽く、速やかに返信やレスポンスがある人を選ぶことが重要です。
当初の法律相談の予約がスムーズに入るかどうか、事務所に電話をかけたりメールを送ったりしたときにどのくらいのペースで返事があるかなどをチェックしましょう。
そもそもメールを扱わない弁護士もいますが、ご自分がメールを使われる場合は、弁護士もメールで対応してくれる人を選んだほうが無難でしょう。
また、メールの返信は遅くとも3営業日以内に来ることが望ましいです。
8.他業種と連携している
相続問題で、意外と重要なのが他業種との連携です。
相続は、実は様々な士業の分野が絡まり合っている問題です。たとえば遺産の中に不動産があれば、司法書士や不動産業者などが必要になるケースがあります。
相続税の支払いが必要になる場合には、税理士に相談ができると便利です。お金の問題が絡むので、ファイナンシャルプランナーなどの資格がある人がいると助かることもあります。
このように、相続問題を全体的に解決するためには、弁護士だけではなく他士業の専門家にも相談する必要が発生する場合があります。
しかし、弁護士と司法書士、税理士などの専門家を個別に探し、毎回相談・依頼をするのは大変な時間と手間がかかり、ストレスにもなります。
弁護士の中でも、これらの他士業と連携している人に手続を依頼すると、ワンストップでいろいろなサービスを受けられて助かります。
連携している司法書士や税理士などがいる弁護士を選んでおけば、後に不動産登記や相続税申告が必要になったときに、わざわざ自分で専門家を探して選ぶ手間をかけずにすみます。
また、弁護士も司法書士業務と税理士業務を行うことができますので、対応している事務所は少ないですが、稀に1人の弁護士に任せれば全て対応してもらえることもあります。
そこで、相続問題を依頼する弁護士を選ぶ場合には、なるべく多くの専門業種と提携関係がある事務所、少なくとも司法書士や税理士との連携関係がある事務所か、弁護士自身がこれらの業務も行ってくれる事務所を選びましょう。
9.自分に合うと感じられる
最後に、相続問題を依頼する弁護士を選ぶポイントとして忘れられがちなことが、フィーリング(相性)です。
弁護士も人間であり、依頼者も人間なので、どうしても合う合わないがあります。
そのようなことは重要ではないと思われるかも知れませんが、相性の良くない弁護士と何度も面談を重ねたり、説明を聞いたりしていると、だんだんとストレスが溜まってくるものです。相手を嫌だと思ったら、あまり相談に行きたいとも思わないでしょう。
結局、コミュニケーションが不十分になって、手続きがスムーズに進まず不利になってしまうこともあります。
ストレスを抱えながら、長期間にわたる遺産相続トラブルに臨むことも大きな負担です。
そこで、弁護士を選ぶ際には、自分に合うと感じられる弁護士に依頼しましょう。
これについては、ホームページの内容や雰囲気をチェックして、弁護士の基本的な姿勢に共感できるかどうかを見たうえで、初回の法律相談で実際に会ってみたときに信頼できそうと感じられるかなどによって判断します。
自分に合っていて、心から信頼できると感じられる弁護士に手続を依頼して、ストレスなしに相続問題を解決しましょう。
遺産相続に強い弁護士の選び方のまとめ
今回は、遺産相続問題に強い弁護士の選び方のポイントを解説しました。
弁護士にもいろいろなタイプの人がいるので、遺産相続問題を依頼する場合には、遺産相続分野を得意とする人を選ぶことが重要です。
まずはその弁護士の相続分野の解決実績や取扱件数、知識経験などが豊富かどうかをチェックしましょう。
さらに、その弁護士に話しやすい雰囲気があり質問がしやすいか、説明がわかりやすいか、費用が明確か、弁護士事務所の立地や相談時間(営業時間)なども大切です。メールや電話をしたときにレスが早いかどうかや、司法書士、税理士などの他業種との連携関係なども重要なチェックポイントになります。
さらに、忘れないように気をつけたいのが弁護士とのフィーリングです。
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