健康保険証の返却・資格喪失届・葬祭費・埋葬料
ご家族が亡くなった場合、亡くなった方の健康保険証の返却と、資格喪失届の提出が必要となります。返却先や手続きの方法は加入していた健康保険の種類によって異なります。
健康保険証の返却と資格喪失届
日本の医療保険制度は、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保健医療を受けられる国民皆保険制度が確立しています。すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することが義務づけられているため、ご家族のどなたかが亡くなった場合、健康保険証の返却と資格喪失届の提出が必要となります。
医療保険制度制度 | 被保険者 |
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国民健康保険 | 自営業者・年金生活者・非正規雇用者等 |
全国健康保険協会(協会けんぽ) | 中小企業のサラリーマンとその家族 |
健康保険組合 | 大企業のサラリーマンとその家族 |
共済組合 | 国家公務員や地方公務員、私立学校教職員等 |
後期高齢者医療制度 | 75歳以上・一定の障害があると認められた65歳から74歳の方 |
世帯主がお亡くなりになった場合の国民健康保険の手続き・期限
国民健康保険は、世帯主が亡くなった場合、14日以内に市区町村役場に健康保険証(世帯全員分)の返却と国民健康保険資格喪失届の提出が必要となります。
国民健康保険は、世帯単位での加入のため、世帯主が亡くなった場合、被扶養者も被保険者としての資格を失います。
世帯主が亡くなった場合、世帯変更届と世帯主を変更した健康保険証を発行する手続きを同時に進めましょう。
- 提出期限
- 死亡後14日以内
- 提出先
- 死亡者の住民票のある市区町村役場
- 届出人
- 同一世帯の家族、代理人
- 必要書類等
- 国民健康保険被保険者資格喪失届
国民健康保険被保険者証
国民健康保険高齢受給者証(70歳~74歳の場合) - 添付書類等
- 死亡を証明する書類(死亡届のコピー、戸籍謄本など)
届出人の本人確認書類
印鑑
会社勤めの方がお亡くなりになった場合の手続き・期限
会社勤めをされていて、社会保険(全国健康保険協会や健康保険組合など)に加入している方が亡くなった場合、資格喪失届に関する手続きは基本的に事業主が行います。
事業主は、期限の5日以内に事業所の所在地を管轄する年金事務所へ、健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届・厚生年金保険70歳以上被用者不該当届を提出する必要がありますので、すみやかに勤務先へ連絡するようにしてください。
健康保険証も勤務先を通して返却されますので、亡くなられたご本人と扶養されていた家族の健康保険証は勤務先へ返却します。
健康保険証は、死亡の翌日から使えなくなりますので、扶養されていた家族は、国民健康保険への切り替え(加入)手続きを行いましょう。
75歳以上の方がお亡くなりになった場合の手続き・期限
後期高齢者医療制度の対象となる75歳以上の人(65歳~74歳で障害認定を受けている人を含む)が亡くなった場合、届出人は14日以内に市区町村役場へ、後期高齢者医療資格喪失届を提出し、健康保険証を返却します。
- 提出期限
- 死亡後14日以内
- 提出先
- 死亡者の住民票のある市区町村役場
- 届出人
- 本人、同一世帯の家族、代理人
- 必要書類等
- 後期高齢者医療資格喪失届
後期高齢者医療被保険者証
死亡を証明する書類(死亡届のコピー、戸籍謄本など)
届出人の本人確認書類
印鑑
扶養されていた家族は国民健康保険へ加入(切り替え)手続きが必要です
扶養されていた家族は、亡くなった方とともに健康保険の資格を喪失するため、死亡の翌日から健康保険証が使えなくなります。
扶養されていた家族(被扶養者)が健康保険に加入する方法は、以下のどちらかになります。
- 会社勤めであるほかの家族の扶養に入り直す
- 自分で保険料を支払い、国民健康保険に新規加入(切り替え)する
1の場合、新たな扶養者の勤務先で手続きを進めてくれます。
2の場合は、国民健康保険は自動的に加入することはありませんので、加入者自身が市区町村役場で国民健康保険への切り替え(加入)手続きを行う必要があります(扶養者が亡くなってから14日以内)。
葬祭費・埋葬料・家族埋葬料は申請が必要です
国民健康保険の被保険者が亡くなった場合、葬祭費が支給されます。
社会保険の被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う方に埋葬料が支給されます。
埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に、埋葬料の範囲内で実際に埋葬に要した費用が埋葬費として支給されます。また、被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料が支給されます。
ただし、葬祭費・埋葬料・家族埋葬料の支給を受けるには申請が必要です。
葬祭費は葬儀の翌日から2年以内、埋葬料は亡くなった日の翌日から2年以内であれば申請は可能ですが、忘れないために、資格喪失届を提出する際に、一緒に手続きを行っておくと安心です。