弁護士による刑事事件の法律相談 | オリエンタル法律事務所

詐欺(オレオレ詐欺など)

1、詐欺の定義

刑法における「詐欺」とは、以下のようなことです。
「人を欺いて(あざむいて)財物を交付させ、その占有を取得し、ないしは財産上の利益を得る行為」
これではわかりにくいので、1つ1つの要件を説明します。

人をあざむく行為(欺罔(ぎもう)行為)

相手方がだまされ、勘違いをしなければ財産を処分しなかったであろう、重要な事実を偽る行為です。

錯誤(さくご)

加害者にだまされたことにより、被害者が勘違いをすることです。

処分行為

勘違いにより、被害者がお金やその他の財産を交付したり、または抵当権を設定したり債務免除をしたりなどの財産上の利益を移転させる行動をとることです。

因果関係

加害者の欺罔(ぎもう)行為によって被害者が錯誤に陥った、被害者の錯誤によって処分行為が行われたという、因果関係が必要です。

故意

被害者をだますこと、それにより被害者が勘違いしたこと、その結果処分行為がなされたことを、認識している必要があります。

上記の要件がそろったら「詐欺罪」が成立します。

2、多様化する詐欺の形態

現代社会では、詐欺が非常に複雑化しており、組織的に行われる事例も増えています。以下で、代表的な現代的詐欺のパターンをご紹介します。

①オレオレ詐欺

オレオレ詐欺は、子どもや孫のフリをした犯人が高齢者などに電話をかけて金をだまし取る詐欺です。
「オレだけど。交通事故を起こして賠償金が必要だからお金を振り込んでほしい」「会社のお金を横領してこのままだと告訴されるからお金を振り込んでほしい」
などと言って、お金をだましとるようなケースです。

②架空請求詐欺(支払え詐欺)

架空請求詐欺は、実際には請求権がないのにあたかも請求権があるかのような前提で支払いを請求し、相手をだまして支払わせる詐欺です。
たとえばインターネットのワンクリック詐欺も架空請求詐欺の一種です。メールで架空請求される場合もありますし、自宅に突然「利用料金を支払わないと民事訴訟をします」と書かれたハガキや封書が届くケースもあります。

③融資保証金詐欺(貸します詐欺)

融資保証金詐欺は、お金に困った人を狙った「貸します詐欺」です。
お金を借りたい人が詐欺業者に融資を申し込むと、業者が「保証金を入れてくれたらお金を貸します」と言います。
そこで被害者がクレジットカードや他の消費者金融などでお金を借りて詐欺業者に支払うと、詐欺業者が行方をくらましてしまい、支払った保証金をだまし取られてしまうパターンです。

④還付金等詐欺(返します詐欺)

最近では、還付金詐欺の事例も増えています。
還付金詐欺とは、「社会保険料、税金などを還付します」と言ってATMなどに誘導し、振り込みの操作を指示して業者宛てにお金を振り込ませる詐欺です。ふだんATMを利用しない高齢者がだまされることが多いです。

⑤その他の特殊詐欺

他にも特殊詐欺のパターンはたくさんあります。

投資詐欺

「必ずもうかります」などと言って架空の投資商品によって資金を集める詐欺です。

ギャンブル必勝法詐欺

「パチンコで必ずもうかる方法を教えます」「馬券が的中するノウハウを教えます」などと言って、ギャンブル必勝法を売ってお金を集める詐欺です。実際にはギャンブルに必勝法などありません。

紹介詐欺

「あなたの希望する条件に合った女性を紹介します」などと言って紹介料をとりますが、実際には紹介を受けられない詐欺です。

3、詐欺容疑で問われる罪や罰則

詐欺罪が成立すると、どのような罪が成立し、どういった罰則が適用されるのでしょうか?

①詐欺罪

通常一般の詐欺罪での刑罰は10年以下の懲役刑です(刑法246条)。
窃盗罪や傷害罪などとは異なり、罰金刑はありません。詐欺罪はそれだけ重い犯罪と考えられています。

②組織的詐欺罪

組織的詐欺罪は、会社や暴力団などが組織的に詐欺行為をしたときに成立する犯罪です。刑罰は1年以上の有期懲役刑で、一般の詐欺罪のケースより重くなります。

4、詐欺で起訴されやすいケース

詐欺罪で逮捕されても、検察官の判断によって不起訴にされる可能性があります。その場合刑事裁判にならないので、前科がつくことはありません。
反対に起訴されると、日本の刑事裁判の有罪率は99%を超えているので前科がつく可能性が濃厚になります。

詐欺罪で起訴されやすいのは、以下のようなケースです。

①詐欺を繰り返している

何度も詐欺行為を繰り返していると起訴されやすいです。
ですが、繰り返していなければ起訴されないというわけではありません。オレオレや還付金詐欺など、悪質な詐欺の場合は関与したのが1回でもまず間違いなく起訴されます。

②詐欺の被害額が高額

詐欺罪などの財産犯は、被害額によって刑事処分の内容が大きく異なってきます。
被害額が数百万円以上の多額の場合、起訴される可能性が高まります。

③組織的に詐欺行為を行った場合

個人としてではなく組織ぐるみで大がかりな詐欺行為をした場合にも、悪質とみなされて起訴される可能性が高まります。

④その他の余罪がある

詐欺以外にも窃盗や恐喝、横領、暴行などいろいろな罪を犯している場合には、不起訴にしてもらうのは難しくなるでしょう。

5、詐欺の示談のタイミング

詐欺犯は被害者からお金をだまし取っているので、そのお金を返さなければなりません。そのためには「示談」によって支払額や方法を決める必要があります。
詐欺行為を働いてしまった場合、どのタイミングで示談するのが良いのでしょうか?

結論から言うと、できるだけ早期の示談がベストです。

どのような刑事事件のケースでも言えることですが、犯罪を行ったら可能な限り早期に被害者と示談すべきです。示談が成立すると、被疑者や被告人への処分が軽くなる可能性が高いからです。

詐欺の場合でも、逮捕前に示談ができれば逮捕される可能性は低くなります、逮捕後処分決定前に示談ができれば不起訴になる可能性が高まります。

起訴後判決までに示談できれば、執行猶予などの軽い判決を獲得しやすいです。
判決確定後に示談をしても、判決を変更してもらうことはできないので、刑事的な意味はありません。
そこで、実際に詐欺行為をしたのであれば、なるべく早めに被害者に連絡を入れて示談交渉を開始しましょう。

6、詐欺の示談金の相場

詐欺罪で被害者と示談するとき、相場の金額はどのくらいになるのでしょうか?
詐欺罪などの財産犯の場合、たいていは「被害額」、あるいはそれに慰謝料として一定金額を上積みした金額が示談金額となります。

しかし、詐欺の規模や内容によって示談金額が大きく変わってきますので、あなたのケースで妥当な示談金額を知りたい場合は、 弁護士までよく相談してください。

7、詐欺で捜査・逮捕・起訴されたら弁護士へ

詐欺罪で捜査を受け、逮捕されるのではないかと不安なときや、逮捕されたとき、被害者との間でスムーズに示談の話を進め、なるべく不利益を小さくするには、弁護士によるサポートが必要不可欠です。
被疑者が自分だけで対応すると、警察官の誘導によって不利な供述調書を取られたり、共犯者の供述によって悪質な主犯に仕立て上げられたり、示談しようとしてかえって被害者を怒らせてしまったりして、実刑判決などの重大な不利益につながりやすくなります。

詐欺罪で捜査を受けたら、もはや一刻の猶予もありません。
迷っている暇はないので、お早めに弁護士までご連絡ください。

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