当社は、建築内装業を営んでいますが、営業担当として雇用していた男性がいました。
しかし、その男性は、担当する顧客との間でトラブルを頻発するため、当社としても営業職に就けておくわけにはいかず、対人折衝のない部署への異動を命じました。しかし、従前から予定していた人事異動ではないため、異動先ですぐにその男性に担当してもらう業務もありません。その男性は、この異動には合理性がなく、嫌がらせのために閑職に追いやったと主張し、配置転換による慰謝料請求を請求してきました。
本件では、特定の労働者を再教育する目的で実施する配転の場合であり、業務の必要性に基づく人材の適正配置という要素が強かったことを主張していただきました。その結果、その男性の主張は排斥され、当社が完全勝訴を得ることができました。
先生からは、労働者に対する懲罰等の不当な動機・目的によって実施されたものであるか否かが、特に重要な争点となるため、今後はその点について注意するようアドバイスをいただきました。
職種が限定されていない一般的な雇用契約の場合、会社の就業規則に「業務の必要に配転を命ずることがある」といった条項があれば、それだけで会社は原則として労働者に配転を命じることができることになります。
しかし、配置転換が権利の濫用というべき場合があります。具体的には、①配置転換命令に業務上の必要性が存しない場合、②配置転換命令が不当な動機・目的に基づいてなされる場合、③配置転換命令が労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を及ぼす等の場合には、配置転換命令が権利の濫用として無効になるとされています。
実績一覧名称 | オリエンタル法律事務所 | ||||
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弁護士 | 佐野太一朗 | ||||
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